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BH(ブラックホール)が質量を減らす方法


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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 | 投稿日時 2019/5/1 17:42 | 最終変更
entangle1  半人前   投稿数: 47
ホーキング放射を出す事でBHは出したエネルギーの質量換算分だけの重量を失う、というのはホーキングさんの結論でありました。
そうであればまたしても「何をいまさら」と言われそうであります。
まあそうなんではありますが、出したエネルギーが光かニュートリノか、その違いによって外から観測している人類にはその観測対象が変わってくる事になります。

質量を減らす状況を確認する前に、まずは質量の増やし方を見ていきましょう。
BHの質量を増やす、それはBHに質量を入れてやればそれでOKですね。
しかしながら、この場合、その質量をホライズンのふちまで降りて行って「そっとBHに入れてやる」のかそれとも「BHの重力にまかせて自由落下させるのか」では、その結果は当然異なったものになります。

そっと入れてやれば質量mの分だけBHの質量Mは増加するでありましょう。

さてそれで、「自由落下させた場合」はどうなりますか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E9%80%9F%E5%BA%A6
↑<--リンク
Wikiの「宇宙速度」によれば
それは「第二宇宙速度」に相当するスピードでホライズンに突入する、と言う事になります。
そのスピードVはV=sqrt(2*G*M/Rs)=C、つまり「光速になる」というのがニュートンさんの言い分です。
(どのような質量のBHであってもそのホライズン半径RsはRs=2*G*M/C^2で計算されます。)
そして、その時にBHが得る運動エネルギーは1/2*m*C^2、これをC^2で割ると換算質量になりますがその値は1/2*m、こうしてBHの質量は静止質量mに運動エネルギー換算質量分を加えた3/2m分だけ増加する事になります。(注1)

しかしながらアインシュタインさんによれば、「それは少し違う」と言う事になります。
BHの重力圏外では質量mのもつエネルギーEは
E=sqrt(P^2*C^2+m^2*C^4)ーUp
この位置を基準にしますのでUp=0
ここで運動量PはP=m*V/sqrt(1-V^2/C^2)
V=0ですからP=0
従ってE=m*C^2です。

これが自由落下してホライズン表面Rsに到達します。
その時の速度をVとしますと、エネルギー保存則の成立条件より
E=m*C^2=sqrt(P^2*C^2+m^2*C^4)ーUp
がここでも成立している事になります。

Up=G*M*m/Rs=1/2*m*C^2をいれて
3/2*m*C^2=sqrt(P^2*C^2+m^2*C^4)
整理すると
sqrt(5/4)*C=V/sqrt(1-V^2/C^2)

Wolframを使いVを求めます。
結果はV=sqrt(5/9)*C=0.745*C
速度は光速の74.5%と言う事になります。

それではこの物質mがこの場所で持つ事になる全エネルギーEはといいますと
E=m*C^2/sqrt(1-V^2/C^2)であり、これを計算すると
E=3/2*m*C^2 となる事が分かります。
こうしてここでもBHの重量増加は3/2*mとなるのでした。

「それではニュートンさんが言った事と同じではないか」と言われそうであります。
しかしながら、BHに突入する速度、ホライズンが感じる速度が違います。
一方は「光速である」と主張し、もう一方は「光速の74.5%である」と主張するのでありました。

さて、この結果を皆様方はどのように判断されるでしょうか?
ちなみに当方の判断は、といえば「アインシュタイン持ち」であります。

(以上の現象をホライズンに立って見ている人はどう見たのでしょうか?
「落ちてくる物質mの全エネルギーは3/2*m*C^2」と見えるはずです。
しかしながら、BHの外から見ている人には「質量mの物質がポテンシャルエネルギーと引き換えに運動エネルギー1/2*m*C^2を得て落ちて行った」と見えるはずであります。
さて、この物質mと同期して落ちて行った観察者にはどう見えたでしょうか?
「BHが加速しながら近寄ってきた。物質mには何の変化も無し。」
その様に見えた事でありましょう。)


次にホーキング放射でホライズン近傍からニュートリノが出てくる事を考えます。
「ホライズン上からはどのような粒子も出てはこれない」という意見があるようですが、それは本当でしょうか?
ちなみにここでは「ホライズンとは単にBHの外側と内側を識別する位置であり、そこにはどのような物理的な存在もない」という立場で考えます。
そして、ホライズンを境界としてその外側、つまりBHの外側では通常の物理座標と物理法則が作用しているものとします。
これはつまり、「BHの内側からは何ものも外には出てはこれない」という意見には同意しますが、「ホライズンはBHの内部ではなく、単に境界を示すものである」と主張するものであります。

さてそれで、上記の計算結果からはニュートンさんに従えば、「光速未満で飛び出したニュートリノはBHに再吸収される」と言う事になります。
他方でアインシュタインに従うならば「光速の74.5%未満ではBHに再吸収される」と言う事であり、いずれの場合も「そのような低レベルエネルギーのニュートリノがホーキング放射されたとしてもBHの質量は減らない」と言う事であります。

それでは以下、具体的に見ていきましょう。
「ホーキングさんが考えたこと・16」によれば、ホライズン近傍からエネルギーを質量換算した値⊿M(Kg)=2.443E-09でニュートリノが飛び出します。
(ここではプランクスケールに到達したBHが出す事になる最初のニュートリノ放出を事例として取り上げています。)

⊿M(Kg)=2.443E-09をエネルギーに戻すと
⊿E=(2.443E-09)*(2.998*10^8)^2(J)=2.196E+08(J)

このエネルギーをニュートリノの運動エネルギーが受け持つ、1/2*m*V^2=⊿Eとするのがニュートンさんのやり方です。
ニュートリノの静止質量は「ホーキングさんが考えたこと・2」から最大でm=1.1*10^ー34(kg)と思われます。

それでV=sqrt(⊿E*2/m)=sqrt(2*(2.196E+08)/(1.1*10^ー34))
V=1.998E+21=6665046667723.04*C
実に光速の6665046667723倍のスピードですから、優にBHの重力圏からは脱出致します。
そしてBH脱出時には光速Cに相当する運動エネルギーが消費されるだけですので残りのエネルギーは1/2*m*(VーC)^2
こうして放射されたニュートリノはほとんどエネルギーを失わずに脱出可能となることがわかります。
(ニュートリノを仮想粒子ーー>実体化させる為のエネルギーEはE=(1.1*10^ー34)*(2.998*10^8)^2=9.887E-18(J).
2.196E+08(J)に対して相当に小さいので、ここでは無視しています。)

一方で相対論によればニュートリノが満足すべき式は
⊿E+m*C^2=sqrt(P^2*C^2+m^2*C^4)
となる事になります。
整理して
P=sqrt((⊿E^2+2*⊿E*m*C^2)/C^2)
m*C^2=(1.1*10^ー34)*C^2=9.887E-18(J).

以上より
P=0.732488
P=m*V/sqrt(1-V^2/C^2)よりVを求めます。
Wolframによれば
V≒C

これでもいいのですがβ=V/Cを使って上の式を変形して
P=m*β*C/sqrt(1-β^2)
としてβを求めます。
結果はβ=1でした。
ちなみに手計算では
β=sqrt((2.2211E+25)^2/((2.2211E+25)^2+1))<1で
βは1未満のはずなのですが計算機の桁数が足りない模様です。

まあいずれにせよVはCに相当に近い値であって、「BH脱出条件のVは光速の74.5%以上」という条件はクリア、めでたくBHからは脱出する事になります。
そうして、ニュートリノがBH脱出につかったエネルギーはニュートリノが持つ事になるポテンシャルエネルギーUp相当であって
Up=G*M*m/Rs=1/2*m*C^2であり
従ってBH脱出後のニュートリノが満足すべき式は
⊿E+m*C^2-Up=sqrt(P^2*C^2+m^2*C^4)
となり
⊿E+1/2*m*C^2=sqrt(P^2*C^2+m^2*C^4)
となります。

ここで⊿E>>m*C^2であって(エネルギーの差は26ケタ!)、この式を解いてもPの値にはほとんど変化は現われません。
したがってBH脱出後もこのニュートリノは光速で飛び続ける、というのが結論となります。
そしてそのニュートリノがもつエネルギーはほぼBHのホライズン近傍で放出されたエネルギー、2.196E+08(J)という値のままであって、これをたったひとつのニュートリノが運ぶ、という事になります。

注1
通常の惑星に隕石が落下する場合は、隕石の自由落下による運動エネルギーは主に温度に変換され、最終的には熱放射(赤外線放射)の形で宇宙に戻る事になります。
従って隕石の直撃をうけた惑星の質量増加分はほぼ隕石のもつ静止質量分と言う事になります。
ここの所が「硬い表面を持つ惑星の場合」とそのような表面を持たないBHとの場合の顕著な相違点となります。

注2
ニュートリノがエネルギーを運び出す役割をしているのは、
https://blog.miraikan.jst.go.jp/topics/20111004post-98.html
↑<--リンク
超新星爆発でも同じです。

そうして、そのようなメカニズムがないと「超新星爆発そのものが起こらず」したがって「大質量のBHの誕生もない」と言う事になります。
但しこの記事中に「ニュートリノの速度の話」がでてきていますが、今の所はニュートリノの速度は光速を超えるということは確認されていません。

そうして
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/sk/supernova.html
↑<--リンク
カミオカンデの例はこちらです。

あるいはこう言う説明、
https://www.ipmu.jp/sites/default/files/webfm/pdfs/news11/J_FEATURE.pdf
↑<--リンク
超新星爆発とニュートリノ
あるいは、
http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/Theses/M_Harada.pdf
↑<--リンク
重力崩壊型超新星爆発のニュートリノ加熱メカニズム
もあります。
ご参考までに。

注3
以上の結果は
「ホーキングさんが考えたこと・16」の注6の記述を訂正する事になります。

『・・・詳細なお話は後程とさせていただきますが、概算ではホライズン近傍で持っていたエネルギーはかなりの部分、ポテンシャル井戸を登るのに費やされ、残りの8%ほどのエネルギーが観測される事になるもの思われます。』

実際は「ポテンシャルの井戸を登るのにほとんどエネルギーは消費されない」が正解となるようです。

追伸
上記「超新星爆発とニュートリノ」によれば、超新星爆発でニュートリノが持ち出すエネルギー総量は3*10^46(J)程度とか。(SN1987Aの場合)
平均的なニュートリノ一個の持ち出すエネルギーは40Mev=6.4*10^-12(J).
そうなると、一回の爆発で発生するニュートリノの個数は5*10^57個程度。

さてそれで、その当時の地球のニュートリノ観測実力は5*10^57個発生の爆発に対して、カミオカンデ+その他合計で24個。
これがスーパーカミオカンデ完成でSK単体で8000個に増えました。
つまり6*10^53個のニュートリノが発生したとすれば、そのうちの1つは観測にかかる、という実力です。

さて他方でマイクロBHがプラス質量からマイナス質量へジャンプする際に放出するニュートリノ一つ当たりのエネルギーは2.2*10^9(J)程度とみられます。
そうして、地球を中心にしてその周りに地球近傍と同程度の密度で半径20万光年のダークマターの存在を想定し、それがマイクロBHだとした場合の想定される個数は5.2*10^51個程度。
このダークマターが一億年あたり1.07%程度がプラスからマイナスにジャンプしている、と想定されます。
そうすると年に5.6*10^41個の高エネルギーニュートリノが発生している事になります。
(以上の議論詳細につきましては「ホーキングさんが考えたこと・7・9・16」を参照願います。)

従ってこのイベントによる1年あたりの発生エネルギー総量EはE=(2.2*10^9)*(5.6*10^41)=1.2*10^51(J)
ちなみにこれは一回の超新星爆発の4万倍程度に相当します。
そう言う意味では、地球近傍で発生している高エネルギー現象としては、このマイクロBHに起因するものが一番である可能性があります。

さてそれで、そのイベントをスーパーカミオカンデが一年の稼働時間で観測する確率PはP=5.6*10^41/(6*10^53)
P=9.3*10^-13
このままでは人類はこのイベントを観測する事はできそうもありいません。

しかしながら、宇宙の始まりから137億年のニュートリノ発生のイベントによる合計ニュートリノ数を考えますとP=1.3%ほどとなります。
つまり77年に一回ほどはスーパーカミオカンデでこの高エネルギーのニュートリノが観測できる、と言う事になります。

そうして、地球にやってくる高エネルギーニュートリノは我々の銀河の外からも飛来してきている、そのように推定する事は妥当な事であります。
それゆえに、SKでの高エネルギーニュートリノの観測確率はP=1.3%を下限値としてそれよりも増えるであろう事は十分に予想できる事になります。

そう言う訳で、ざっとしたところではありますが、まあ現状ではこの辺りの推定が妥当なところであろうと思われます。
つまり、「なにやらとても高いエネルギーをもったニュートリノが地球にやってきている事をSKで観測できる可能性がある」という事になります。



https://blog.goo.ne.jp/rokusanasukor/e/7f6b375b88809d2047b1c5060a01c46b
↑<--リンク
・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧


http://archive.fo/v1SmY
http://archive.fo/Xd0at
http://archive.fo/Ea5gW

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2019/6/2 10:55 | 最終変更
entangle1  半人前   投稿数: 47
さて前回検討したように「どのような質量のBHに対してであれ、ホライズンに向かって自由落下する物質は光速の75%でホライズンに到達する」のであります。
ここで注目すべきは「この話はBHの持つ質量には無関係である」という事です。

太陽質量の10倍程度の質量のBHであれ、1グラム未満のマイクロBHであれ、光速の75%までの加速は同様におきる現象であります。
但し、この2つのBHの重力圏の大きさはBHが持つ質量の大きさに応じてまるで「桁違い」になっています。
そうしてまたこのBHがもつホライズン半径も「桁違い」です。

そうでありますから、大きな質量のBHには宇宙に存在する大抵の物質を飲み込む事、その物質を光速の75%まで加速する事はできますが、他方でマイクロBHはそのような芸当はできません。
せいぜいが「止まっているニュートリノを自由落下させる事が出来る」、まあそのあたりの事しかできません。
そうして我々はまだマイクロBHだと思われるダークマターを補足する事も、いつも光速で走っているニュートリノを止める事も出来てはいません。


さてそのようなマイクロBHではありますが、その生まれは原始BHであろうと、インフレーション直後に誕生したものであろうと推測されています。
http://www.eonet.ne.jp/~kotetu/nucleosynthesis.htm
↑<--リンク(Or http://archive.fo/ECZUC
「元素合成 ・・・物質の起源について」
によれば「インフレーション終了後、宇宙の物質要素はクォークグルーオンプラズマ、と呼ばれる状態で存在していました。」とのこと。
そうして、この「クォークグルーオンプラズマ」と呼ばれる状態が、現在、我々が想定しうる範囲内では「物質がとりうる最も密度が高い状態」の様です。

その状態でのクォークグルーオンプラズマの密度をPρとします。
一方でおなじみのホライズン半径RsはRs=2*G*M/C^2.
ホライズン半径の球の中に質量Mを構成する物質が一様に詰まった、としますとその密度ρは
ρ=3*C^6/(32*Pi*G^3*M^2)

ここでMをビックバン後の宇宙の全質量としますと
仮にPρ>ρになっていたとすると、インフレーション後に「この世にあらわれた宇宙はすぐにBHになる」という事になります。
つまり「宇宙は誕生してはすぐに姿を消した」とそういう事になります。
そうして、実際はそうなってはいないのでありますからPρ<ρであったと、そういう事が分かります。

このままでは宇宙は誕生できましたが、注目している原始BHが生まれてきません。
そこで量子論がらみの「質量密度の揺らぎ」、そうしてまた「空間スケールの揺らぎ」の登場となる訳です。

なるほど大局的にはPρ<ρではありましたが、部分的にはPρ>ρと言う様になっていた所があってもおかしくは無い、そのように主張する訳です。
そうなっていれば、その部分はBHとなる事が出来ます。
こうして質量が1グラム程度のマイクロBHがめでたく誕生する、と言うシナリオが作れます。
↓<--リンク
http://www.tuhep.phys.tohoku.ac.jp/dmautumn/slides/suyama.pdf
「原始ブラックホールと重力波」

・・・以上は前回の補足説明で、少し遅くなりましたが今回のテーマについてはこれ以降になります。

前回の計算結果では「質量mの物質がBHに自由落下しその質量を3/2*m分だけ増加させる」というものでした。
これは落下するBHの質量MがM>>mである場合にはほぼ成立しそうですが、M≒mの場合にはどうであるのか、調べてみなくてはいけません。
と言いますのも、mの運動量PがBHに吸収される、そうなりますとmを吸収したあとのBHは運動量Pを受けて動き出す、という事になります。
そうなりますとBHの運動エネルギー分だけBHの質量増加分が削られる、そういう話になりそうです。

以上の話は「ホーキング放射でBHが消えてしまう」と論じておられる方々が見逃している事にも関係しています。
BHを蒸発させることになる、最後にこのBHに飛び込んだ仮想粒子が持っていた運動量はどこに行ったのか、「マイクロBHは蒸発してしまった」と論じておられる方々は運動量保存則を忘れておられる様に見受けられます。

そうでありますからここは前回取り上げた「ホーキングさんが考えたこと・16」での例、プランクスケールに到達したBHが出す事になるホーキング放射の例に戻ってこの事を検討する事としましょう。

さてそれで2.176E-08(Kg)=(0.00000002176Kg)のBHが⊿E=2.196E+08(J)のエネルギーのニュートリノを放出します。
それはつまりこのBHに進行方向は放出されるニュートリノとは正反対ですが、同様のエネルギーをもったニュートリノがBHに飛び込む、という事でもあります。
その結果としてはこのBHは真空との取引により最終的には⊿E=2.196E+08(J)のエネルギーを支払い、放出したニュートリノと反対方向にそのニュートリノが持って行ったのと同じ値の運動量Pを受け取る事になる、そういう話でした。(注1)
このあたりの取引詳細は
https://blog.goo.ne.jp/rokusanasukor/e/ccf55f9fc5a939bd7ef034f05e90d7c6
↑<--リンク
「ホーキングさんが考えたこと・4」
を参照願います。

以下は計算になります。
まずは「仮想粒子が対生成した発生点を原点とした座標系で見た時にBHは静止していた」と仮定します。
そしてその時にこのBHが持っていたエネルギーをEとします。
そうして、飛び込んできたニュートリノが持っていた運動量をPとします。
そしてその値は前回計算結果よりP=0.732488でした。
この時にこのBHが満たす式は次のようになります。

(E-⊿E)^2=P^2*C^2+M^2*C^4
この式はBHは⊿Eのエネルギーを支払い、運動量Pを受け取る事を示しています。
ここでMはニュートリノが飛び込んだ後のBHの静止質量を表します。

Eはニュートリノが飛び込む前のBHの質量2.176E-08(Kg)にC^2を掛けて求めます。
E=(2.176E-08)*(2.998*10^8)^2=1955800000(J)

以上を代入して整理すると
M=sqrt(((E-⊿E)^2-P^2*C^2)/C^4)=1.916E-08(Kg)
この結果は「ホーキングさんが考えたこと・16」での計算値1.932E-08(Kg)よりも小さく、その分が実はBHの運動エネルギーとして使われたという事になります。

次にP=M*V/sqrt(1-V^2/C^2)よりニュートリノ吸収により発生したBHの移動速度Vを求めます。
その結果はWolframによれば
V=3.7923E+7=0.126*C
従ってこのBHは光速の13%程度で自分がホーキング放射したニュートリノとは反対方向に走り出す事が分かります。

こうしてBHの質量Mが大きければ、ホーキング放射を出したことによる反作用は考慮せずにBH質量はホーキング放射されたエネルギー分だけ減る、としても間違いはなさそうですが、マイクロBHのレベル、プランクスケールのBHになった場合はそのようには無視できず、反作用によるBHの運動エネルギーの増加分を考慮しないとBHの質量減少分が計算できない、という事が分かります。

さらには、このようにしてホーキング放射を出したことによる反作用を受け取る必要のあるBHがこのホーキング放射プロセスで「蒸発した」とするならば、この相互作用での運動量保存則が満たされる事はない、という事もまた同時にわかるのでありました。

(注1)
このBHはまずは仮想粒子の飛び込みによって⊿Eのエネルギーとホーキング放射したニュートリノと逆方向にPという運動量を受け取ります。
ここで、従来の考え方ではこの受け取ったPの事は忘れてしまい、受け取った⊿EのエネルギーがそのままBHの質量に付与される、としていました。

しかしながら、事実はといえば、運動量Pを同時に受け取ったBHはその方向に運動し始め、その結果は運動エネルギーΔEkを持つことになります。
そうなりますと、⊿EというエネルギーがすべてBHの質量に変わる、ということにはならず、(⊿EーΔEk)というエネルギーがBHの質量に転化・付与される事になります。

その後BHは真空に対して2*⊿Eという支払いをすることになり、従ってBHのエネルギー収支は最終的には⊿E分だけのマイナスとなります。

しかしながらBHの質量は、といいますと仮想粒子の飛込みによって得られた分が(⊿EーΔEk)であり、真空に支払った分がー2*⊿Eですからこの二つを合計した値、ー⊿EーΔEkがBHの質量になった、つまり結果的には(⊿E+ΔEk)というエネルギーが質量から抜けた、という計算になる訳であります。



https://blog.goo.ne.jp/rokusanasukor/e/7f6b375b88809d2047b1c5060a01c46b
↑<--リンク
・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧



http://archive.fo/51ZAJ
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2019/6/26 15:51 | 最終変更
entangle1  半人前   投稿数: 47
前回はニュートリノの放射について検討しました。
今回は光(γ線)の放射について検討しましょう。
ただし光の放射については
https://blog.goo.ne.jp/rokusanasukor/e/6e1444cb787f3aa55d17760e015fbd22
↑<--リンク
ホーキングさんが考えたこと・17」
の結論によればニュートリノの放射に比べて
7.31*10^-14=0.0000000000000731の確率でしか起こらないのでした。
加えて
https://blog.goo.ne.jp/rokusanasukor/e/8b64eb82c58db64286a5d903e33529a4
↑<--リンク
ホーキングさんが考えたこと・18」
の結論によればニュートリノの放射に比べて「17での理由とはまた違う理由で」発生確率が1/3になってしまうのでした。

その結果、ニュートリノの放射に比べて光の放射の発生確率Pが
P=0.3333*7.31*10^-14=0.0000000000000244=100兆分の2.44。
これでは普通は「事実上は無視しても良かろう」という事になります。
まあしかしながら、何らかの理由でニュートリノの放射が制限されていた、とするならばBHは光を放射する事になりますので、一応どのような状況になるのか、確認だけはしておこうという事であります。

BHのホライズン半径が4Lpである状況を想定します。
このBHが吸収しそうしてまたホーキング放射出来る最低のエネルギーをもったγ線の波長は、BHホライズン直径と同程度の8Lpとなります。
そうして、プランク質量MpのBHの半径Rsが2Lpであることから、今回のBHの質量は2*Mpである事が分かります。

波長が8Lpの光のエネルギーEはE=生h*振動数ν=生h*C/(8Lp)
質量換算するとΔM=E/C^2=生h/(8Lp*C)=Pi/4*Mp
(Lp=sqrt(h*G/C^3)、h=生h/(2*Pi)、Mp=sqrt(C*h/G)による。)

もともとのBHの質量が2*Mpでしたからホーキング放射を出した後のBH質量Mは
M=(2-Pi/4)*Mp=1.2146*Mp
となる事が期待されます。
但しこの計算ではBHに飛び込んだ光が持っていた運動量Pを無視しています。


それで次は運動量Pを考慮した場合となります。
光のエネルギーE=P*C=生h*振動数ν
従ってP=生h*振動数ν/C=生h/波長λ=生h/(8Lp)
(あるいはP=Pi/4*Mp*C、E=Pi/4*Mp*C^2)

ホーキング放射を出した後のBHの質量Mが満足しなくてはならない式は
((2*Mp)*C^2-生h*C/(8Lp))=sqrt((P*C)^2+(M*C^2)^2)
ホーキング放射でBHが失ったエネルギーが生h*C/(8Lp)
他方でBHに飛び込んできた仮想粒子が持ち込んだ運動量がPです。

整理すると
M=Mp*sqrt((2-Pi/4)^2-(Pi/4)^2)
M=0.9265*Mp
運動量Pを考慮しない場合はM=1.2146*Mpでしたので
その差分がBHが運動量Pを吸収した事によるBHの運動エネルギー分となっています。

そして上記より光放射後のBHの移動速度をVとすると
P=Pi/4*Mp*C=M*V/sqrt(1-β^2)
但しβ=V^2/C^2

整理すると
Pi/4*C=0.9265*V/sqrt(1-β^2)
Wolframによれば
V=0.6466*C
BHは光速の65%で運動し始める事になります。

こうして光を放射するホーキング放射の場合は、一回当たりの放射エネルギーがニュートリノ放射の場合と比較して相当に大きいという事がわかります。
(ニュートリノ放射の場合はBHは光速の13%程度で走り出します。
他方で光放射の場合は光速の65%で運動し始める事になります。)

そして、その事が光を放射するホーキング放射がニュートリノ放射のホーキング放射の場合に対して起こりにくくなっている理由でもあります。
(光放射の場合はBHのその時のホーキング温度に不相応な高いエネルギーの光の対生成が必要となり、それは難しい事であって、従ってそのような光の発生確率は極端に低くなる事になります。)

さてそういう訳でこれ以降の検討においては、特に光放射に注目する必要がある場合を除いてはニュートリノ放射をホーキング放射のメインプロセスとして想定し、議論を重ねていきたいと考えます。



https://blog.goo.ne.jp/rokusanasukor/e/7f6b375b88809d2047b1c5060a01c46b
↑<--リンク
・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧


http://archive.fo/2Ky2N
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entangle1

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msg# 1.2.1
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entangle1  半人前   投稿数: 47
以上の様にしてBHはニュートリノ、あるいは光を放射する事によって自分の質量を減らして行き、ついには消滅するであろう、と言うものがホーキングさんの結論でありました。
そうして皆さん、その結論をあまり疑うことなく受け入れられておられる様です。
しかしながら、本当にそうなるのか、と言う事をもう一度確認してみる事は無駄ではないでしょう。

そう言う訳でこの話は
「BH(ブラックホール)は消滅可能なのか?」
http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=2628#post_id16967
という、次のテーマにつながる事になります。
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