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ブラックホール見ゆ


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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 | 投稿日時 2019/4/13 22:01 | 最終変更
東 遥  スタッフ   投稿数: 3599
今週の報道で話題になったのが

解説:ブラックホールの撮影成功、何がわかった?

はい、「ブラックホール」、SFでは御馴染みのアレ、なんでもかんでも吸い込んで光さへ出て来れないぞという事で、

 ・敵艦をブラックホールに叩き込む
 ・ブラックホールを使った超スウィングバイで戦線急速離脱

云々という小道具としても御馴染みですし、ブラックホールを真面目に取り上げたSF作品としては著名なところではディズニーの「ブラックホール」が御座いますし、日本ですと「さよならジュピター」あたりがそうでしょうか。

理論的な面から言えば18世紀後半にピエール=シモン・ラプラスさんが

 ・光は万有引力の影響を受けて曲がる
  →極度に万有引力が強い星なら
   光が出てこれなくなるんじゃね?

と着想したもののそのまま放置プレイされていたのが恐らく人類初の言及だそうで御座います。時代は下って20世紀初頭に相対性理論が発表されると、カール・シュヴァルツシルトさんがアインシュタイン方程式を特殊な条件で解いて特異点を導き出したところからブラックホールの理論的な研究が始まったそうですが、当のアインシュタインさんは

 ・理屈はそうだが、んなの有る訳ねぇ

とお考えだったとかなんとか。1930年にはインドからイギリスに留学していたスブラマニアン・チャンドラセカールさんが

 ・白色彗星帝国矮星が一定の大きさ以上だと果てしなく潰れてしまう

と提唱しましたが相手にされることなく、1939年にロバート・オッペンハイマーさんと彼んとこのセーガクさんが

 ・中性子星の質量には上限があり、それを越えると重力崩壊を起す

と考えたものの例のマンハッタン計画が忙しくなって研究はそれ以上進まず。戦争ってヤですねぇ。その後も、こうゆう究極の「天体」を真面目に扱う学者さんはあまりおりませんでしたが、1965年にマジで研究したロジャー・ペンローズさんが大質量星は星の崩壊で特異点が生まれると証明し、長年考えていたジョン・ホイーラーさんが1967年に会議で "black hole"の語を用いたのが今の「ブラックホール」という述語の原点だそうです。意外と新しいのですねぇ。

実際の天文学的な側面から言えば暗黙のうちに、

 ・そんな星、本当にあるの?

と疑念を持たれていたところですが、1970年に打ち上げられたX線観測衛星「ウフル」が宇宙のX線源を観測し、その大半は素性が明らかにされたものの、「はくちょう座X-1」だけは正体不明でした。詳細に調べると太陽の30倍の質量の星がとんでもない大質量の周囲を巡っていることが分かりましたが、その見えないサイズはとても小さいのに質量はとんでもなく大きい星は既存のカテゴリーのどれにも当て嵌まらず

 ・これ、例の所謂ブラックホールじゃね?
  
と注目を集めたものでは御座いました。その後も同様の天体が見つかりますが、あくまでも法律上厳密には

 ・ブラックホール「と思われるもの」

という注釈が付いてまわる事になります。まぁ報道とか科学番組とかそうゆうところでは意図してか敢えてかカッコ書きの部分を落として「ブラックホール」と表現して当たり前の存在にしていましたが。

或いは我々の銀河の中心にも「いて座A*」という領域に太陽の370万倍の質量を持つ「所謂」ブラックホールがある、と「考えられている」ところで、他の銀河も大抵は「中心に所謂大質量ブラックホールがあるだろう」と「見られる」ところでは御座います。ぇぇ、ここまで長々と簡潔に書いてきたところが、実はあくまでも

 ・ブラックホールと思われるもの

傍証・間接的証拠、から「そうだ」と思われるものはあるものの、その実物をちゃんと捉えたことは無かったのでは御座います。言うなれば

 ・実物大?実物無いのに、実物大?

というのに似たものでは御座いましょう(違)。

その様な次第で、今回、初めて、

 ・ブラックホールそのもの

を直接撮影する事ができた、という所がポイントなのでは御座いましょう。世界各地の電波望遠鏡の測定結果を同調させて理論的に地球サイズの電波望遠鏡を構成するイベント・ホライズン・テレスコープを用い、解像度は20マイクロ秒角、人類の視力にたとえると300万の細かさでM87の中心を狙って撮影した映像が公開されています。

史上初、ブラックホールの撮影に成功 ― 地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜む巨大ブラックホールに迫る

ぉぉ、これが人類が夢想してきたブラックホールの真の姿か。拍手。これからの天文学の発展、そして日本アニメの妄想力の拡大を祈念する次第。


おまけ。

早速、この画像を使ってこんなのが。

ブラックホール周辺の宇宙空間は実は猫だったという画像が回ってきたんですが…

カワイイ!

1969年:アポロ計画で史上初めて人を月に送り届けたフライトシステムのコードを書いたマーガレット・ハミルトンと彼女が書いたソースコードの山。

2019年:今回、史上初のブラックホール撮影を可能にしたアルゴリズムを書いたケイティー・バウマンと映像データを収めたHDDの山。


ぉぉう。因みに件のイベント・ホライズン・テレスコープ、必ずしもリアルタイムに複数の電波望遠鏡を同調させるのではなく、各電波望遠鏡に高精度な原子時計を備え付け、観測したデータに高精度なタイムスタンプを添えてHDDに格納し、そのHDDを持ち寄って解析するんだそうで御座います。むぅ。

んで、例によって一部報道からは例の如し。

ブラックホールの撮影に関する記者会見で『この研究成果は一般社会に何か影響があるものですか?』の質問→返答がキレッキレで良い

例の如き質問の返しが流石だ。まぁ、知人に言わせると「質問方法・内容がなってない!」と激怒してますけどね。
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2019/4/13 22:45
東 遥  スタッフ   投稿数: 3599
こちらはもう少し前の話になりますが。

「いま生まれつつあるガス惑星」の姿を初撮影。原始惑星系円盤にできる穴も確認可能

VLTを使って、こんな画像が得られている。他にも

VLTが直接撮像した3つの原始惑星系円盤

ですとか、最新のですと、

若い星を取り巻く多様な塵円盤

とか。この中の左下のRXJ1615とキャプションされているものは、もうそれらしさ満々では御座います。

ガミラスには遠くおよばねど、地球の科学技術はここまで宇宙を視ることができるようになったのですねぇ、感慨深い。
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2019/4/16 13:12
take 
ブラックホールの想定CGについては数多あれど、実際に画像化されたというのが快挙ですね。
で思い出されるのは映画「インター・ステラ」制作の中でキップ・ソーン博士がリアルなCG化にあたりブラックホール周辺の光の曲がり方についての計算に貢献したこと。

映画を振り返るに今回の画像は感慨深いものがあります。

ちなみにソーン博士、「重力理論」(丸善出版)1324ページの大著の共著者の一人。これ、その筋では「電話帳」と呼ばれていることでも有名。
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