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Re: 才能の無駄遣い、遍く【モノクロナル…】

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くー

なし Re: 才能の無駄遣い、遍く【モノクロナル…】

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2019/6/21 19:18
くー  常連   投稿数: 185
最先端の生化学は良く分からないので、古典的な免疫学的お話から。

モノクローナル抗体の前は、ポリクローナル抗体(免疫血清といってもよい)しかなかった。取り敢えずどうやって作り、利用するかという怪しげな説明を展開する。

ABO式血液型判定用血清のA型赤血球(以下単にA型血球という)と反応する抗A抗体を作ろうと思う。
方法はA型血球をB型の人に異型輸血すると免疫反応によってA型血球と反応する抗A抗体が含まれる血清ができる。しかし、これでは人体実験レベルの所業であるから、人間の代わりにヤギに免疫しよう。

免疫に使用したA型血球には様々な抗原があり例えばA抗原(A型物質)の他にX,Y,Z他多数の抗原があるのでヤギはそれらの抗体も作り、免疫血清は抗A,抗X,抗Y,抗Z他多数の抗体の混合物となる。そこで、複数人のB型血球をその免疫血清に加えて、抗X,抗Y,抗Z他多数の抗体と反応させ吸収してしまおう。B型血球は抗A抗体と反応するA型物質がないから抗A抗体が吸収されず残る。こうしてヤギ免疫抗A血清ができる。

これでは、作るたびにヤギが消費されるのでクローニング技術を利用しよう。
抗体を産生するのはBリンパ球(B細胞) https://hataraku-saibou.com/character/?chara=b_cell だ。抗体分子は抗原の一部分しか認識できない(物理的に(サイズ的に)小さな部分(エピトープ)としか結合できない)から、そのエピトープの数だけB細胞が生まれる。

マウスに免疫してB細胞を取り出し、沢山穴の開いたプレートで1穴に1細胞あるかないかまで思い切り希釈し(限界希釈)培養して培養液をA型血球と反応させる。反応した穴の細胞をさらに培養し、繰り返し選抜していくとA型物質の単一のエピトープと反応するクローンが複数種類得られる。これらを適切にブレンドして理想的にはA型のひと全員と反応するマウス由来モノクローナル抗A抗体(実際は複数種ブレンド)を作る。

これが、私の理解する古典的な方法。だがポリクローナル抗体を作る方法が大変化した。

昔は、抗体を得るためには抗原を精製する必要があった。タンパクは単離まで到底できず、粗い精製物で免疫せざるを得なかった。だから特異性が弱い抗体ができた。でも シグマ・アルドリッチ現メルク
http://sigmaaldrich-japan.com/lp/?gclid=CjwKCAjwuqfoBRAEEiwAZErCsmpkeSSGS32KSiPJsg1kQG7_bmLYptc971gO01PF7w2pRDwXoXBW-RoC_f8QAvD_BwE
では違った。抗原を精製する必要はなく「目的タンパク質の配列情報またはアクセッションナンバーをご用意ください。」なので文献等からタンパクやタンパクをコードするDNAの配列情報を調べるだけで抗体が入手できるという凄い時代になっていた。今は、タンパク合成装置があるからこんなことができるのだ。

たとえば、何かのタンパクを産生する細胞(ガン細胞とか)を培養(クローニングとか)して、目的のタンパクを産生しているかどうか調べるときに必要な抗体が、金を払うだけで手に入る。「また、相同性を比較する分子の情報等もご提示ください。」だから、シグマ以下略では、似ている分子と反応しない特異性の高いエピトープを合成し、特異的な抗体ができるのだろう。さらに、抗体価(抗体を何倍まで希釈できるか。ABO式血液型判定用試薬では厚生省により抗体価(凝集素価)256倍)にも自信があるということは、高い抗体価が得られるエピトープを選択するノウハウがあるのだろう。

P.S.
そうそう、働く細胞第2期が告知されていた。 https://hataraku-saibou.com/?from=lower

生化学分野の企業合併は激しいが、社名はブランド名として残るのだなあ。メルクが、シグマとアルドリッチとミリポアを吸収していたのか。知らなかった。
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